イギリスに5月に住み始めて3ヶ月。週末に旧友に会いに一泊でバルセロナへ行ったのだが、朝から帰りまで旅程はトラブルの連続だった。あまりにもトラブルが重なったから、日記に書いておくことにする。 もう、こういう事はあってほしくない・・。
★出発の朝(金曜):
早めに準備を終え、空港でのんびりしようと思い、早々に部屋を出る。駐車場から出ると対向車が道を塞いでいるので、ちょっとバックしてやり過ごしたのだが、次の大通りへの出口で、一台のバンがおかしな停め方をしている。それを避ける形で、トラックが大きくはみ出して、うちの通りに入ろうとしているため、僕はそれを左に避ける形でハンドルを左にきって抜けようとしたのだが、どうもこの時に縁石の近くにあった金属製のブロックの角にタイヤをぶつけてしまったらしい。 そのまま道に出て、1分程度走ると、左の前タイヤがバタバタと異音。パンクと即判明。あぁー、やっちゃったァ。 バルセロナで乗っていたBMWだったら、こんな時でもしばらくは走れるのだろうが、今のAudi A6は普通のタイヤだから非対応。即走行不能に。 さてどうしたものか・・・。家に戻るか、この場所でタイヤを交換するか。
ちょっと脇道にそれて、車を停め、小雨が降るなかで交換を試みることにした。Audiの交換なんてしたこと無いしなぁ。 と思いつつも、トランクを開け、ゴルフクラブを降ろし、交換タイヤをトランクケースの中に発見。大きいタイヤだ。テンポラリーのタイヤでは無く、まともなタイヤだ。 で、ジャッキはどこ? 工具はどこ?と探したが見つからない。タイヤが入っているとこには見当たらない。バッテリーがタイヤの横に鎮座していたのには驚いた。ボンネットじゃないんだ。
分からん、どこにあるのか・・と思い、ダッシュボードからマニュアルを引っ張り出してきて、タイヤ交換の項目を探す。焦っているのか、なかなか見つからない。あった・・と思ったら、緊急修理の充填剤修理の項目で、今回は使える気がしない。そもそも、充填剤が入っている・・とマニュアルに書いてある所を探しても、充填剤やコンプレッサは入っていない。この機種は対象外かな? 雨はだんだん激しくなってくるし。 フライトまで充分時間があるとは言え、あんまりこのままダラダラやっていても埒があかない・・と判断し、車を何とかアパートの車庫まで戻し、タクシーで空港へ行くことを決めた。
完全にフラットになってしまった245/40のタイヤは無残にバタバタと音を立て、タイヤがダメに成ってしまうことを覚悟しながら低速で1km程度の家路へ付く。後ろから車が来る度に路肩へ寄せ、ウインカーを出し、とろとろと走りながら、ドキドキしながら、時には駐停車禁止の場所に一旦止めて・・後続をやり過ごしてなんとか自宅へ。バタバタというタイヤの音が情けない。歩道を歩く人の目も気になる。 なんとか、アパートの駐車スポットに入れた時には大きく一安心。 さて、修理や交換はまた別の機会にやることにして、まずは、空港に行かなくては。
幸い、一泊のお気楽旅行なので、荷物は小さなリュック一つ。颯爽と担いで、小雨の振るKingston upon Thamesの街なかにあるタクシー乗り場へ向かう。John Lewisの前にあったはず・・と思い数分歩くが、一台も停まっていない。そういえば以前もこのタクシー乗り場はタクシーがいないことがあったなぁ。朝はいないのか? 街なかを流しで走っているタクシーは全くいない。バルセロナと大きく違う所だ。バルセロナなら、いつでも見つかるのに・・。 他のタクシー乗り場の場所は把握していなかったが、主要道やマーケットの前ならあったような・・と思い、街なかを早足で探すが、全然タクシー乗り場は無い。タクシーは走っていない・・。だんだん焦ってきた。 バスでGatwick空港へ行く方法は無いはずだし、電車も近くからは出てないし。 さて困った。早めに家を出たといってもぶらぶらしているわけには行かない。 タクシーが来ないかとキョロキョロしながら、「そうだ。アパートのコンシェルジュに聞こう。そして、そこでタクシーを頼んでもらおう」 と決心。 急いでアパートへ戻る。
コンシェルジュに聞くと、目の前に並んだタクシー会社のちらしを指さし、「どれでもいいよ。これに電話して呼べばいいよ」との事。「呼んであげようか?」なんていう優しい言葉を期待したのも虚しく、僕が「どこへ来てくれって言えばいいんですか?」と言っても「ここに住所が書いてあるから」という紙を見せてくれるだけ。ここのコンシェルジュは、代わりに電話をしてくれるというサービスは期待できない。以前にもAmazonの配送で電話をしてくれるようにお願いしたのだが、「そういう事はできない。一日にそういう話は一杯あるから一つひとつやっていたら大変な事になるから・・」というのが理由だそうだが、(だって、あなた今ひまそうにしてるじゃん・・)と言いたいのをグッと堪えて、チラシの一つを手に取り、「これでいいのか」「そうだ、ここは信頼出来るぞ」という会話の後、電話をすることに。 僕が電話をしている間、コンシェルジュは僕の方を見て、僕が一言ずつ電話の相手と確認するたびに、無言で頷いてるでは無いか・・。どうせ、暇なんでしょ。電話してくれたっていいじゃん・・。 とは言え、まぁ、なんとか電話は通じたが、タクシー会社いわく、「では20分程度お待ちください。ついたら電話しますので、電話番号を。」だとか。えっ、20分も待つの? どこから来るの?このタクシー会社・・。 でも、他のタクシー会社がそれより早い保証は無いので、とりあえずそれでOKにして電話を切る。「20分かかるらしいですね」とコンシェルジュにいうと、「そんなものかなぁ。今混んでるのかもね・」とまぁ、他人事だねぇ。 確かに他人事なんですけど。
「そこに座って待ってていいよ」というので、言われるまでも無く、受付近くのソファに座って20分待つことに。本当に20分で来るのか?いや、20分というのは多めに見た時間で本当はもっと早く来るのでは無いか? そ、その辺りの勘所が全く読めないので、最悪の事態(20分以上かかり、ひょっとしたら40分たっても来なかったりすると、さすがにフライトに間に合わないリスクが一気に高くなる・・)に備えて対応策をとることにした。
今、予約しているフライトは、変更不可能チケットなので、新たにもう一本、遅い時刻に出発する片道のフライトを携帯から予約することにした。
Google検索から、easyJetを探したら、「easyJetのAndroidアプリが出来ました。このアプリを使うと予約、管理が簡単にできるようになります」という表示があったので、「まぁ、いいか。便利になるなら、これからも使うだろうし・・」と思い、そのアプリを新規でインストールして、起動しそこからフライトを予約。 フライトを選択し、個人情報を入力し、デビットカード情報を入力して予約完了。「予約完了」という画面が出たので、さて、オンラインチェックインはどうするのか?と思いながら操作していたが、そういうメニューが見つからない。「搭乗券」というボタンを押したが、「予約情報がありません」というメッセージが出るでは無いか。「えっ、今、このアプリで予約したよなぁ。」と思い、Gmailを見ると、確かに予約確認メールは届いている。でもオンラインチェックインができない。パソコンからでないとできないのか?? 前述のアプリに、予約確認番号(Gmailから確認)を入力して検索すると、確かにアプリ上にも予約がひとつ出てきた。ところが、「この予約は別のアカウントから予約されています」という表示が出てきていて、それ以上の何も処理できないでは無いか。他のアカウントってなんだ? そんな設定画面はなかったぞ。全くわからないまま、悶々として色々操作を試すが何もできない。キャンセルもできない。 まぁ、仕方がない。空港についてからこの画面を見せて、チェックインカウンターで搭乗手続きができるだろう。多分・・・・。 もし、前のフライトに間に合ったらこの予約は無駄になるが、まぁ、仕方がない。150ポンドの無駄払い・・・。 とあきらめて、頭をタクシー待ちに切り替える。
もう、20分くらい経過したと思うが・・・・。 音沙汰なし。コンシェルジュは相変わらず暇そうにしている・・。 「車がパンクしたんだけど、交換用のジャッキが見つからない。どこかで貸してくれる所はないか?」「タイヤの下に入っているはずだ。誰かが持ってったのか?そうか、リースカーなのか、最初からなかったのかもな。Halfodsという店に行けばあるかも。車ごとにジャッキは違うから気をつけろよ。クルマやを呼ぶと高いからやめたほうがいいぞ・・」云々。暇そうだ・・・。
外をぶらぶらして、タクシーが来ないか探してみるが、もちろん居ない。ウロウロするのも馬鹿馬鹿しいので、またソファーに戻って待つ。
そういえば、Gatwick空港のNorth TerminalのLongTermパーキングを昨日、オンラインで予約済みだった。事前に予約しておくと割引があるので、ナンバープレートの情報と入庫出庫の予定時刻を入れて、カード情報を入力すると事前決済で予約ができる。昨日、その処理を終えていたのだが、この予約は使えない。車が無いから・・・。 キャンセルするにはパソコンに戻らないと・・・でも、このぷち旅行にはパソコンは持参してない・・という事で、キャンセルも諦め、27ポンドを無駄にした・・。
待つこと結局30分。ようやく携帯に電話がかかってきて、外に出てみるとタクシー(というより普通の車じゃん)が一台待っていた。Gatwickまでいくら?と聞くと45ポンドらしい。まぁ、仕方がないが予定外の出費だ。車が動けば要らない費用なんだから・・・。 この自家用車タクシーは、スムーズな快適ドライブで、普通の会話をしながら約40分で空港に到着。 最初のフライトの時間になんとか間に合った。 ともかく、これでバルセロナにいけるぞ。と。
タクシーに乗りながら、今更ながら別の方法も思いついた。バスでSurbitonの駅まで行ってタクシーに乗るという手もあったかも。それなら、30分もイライラしてタクシーを待つこともなかったかも。あの駅には、いつもタクシーが居た気がする・・ もし、今度、タイヤがパンクしたら・・・、この手を使おう。
空港でお土産買って、スムーズに搭乗、フライトは到って平和。機内はバケーションモード一色。無事着陸。
久々のバルセロナの空は、やっぱり違う。素敵な青さ、空から見る町並みも、やっぱり、あぁ地中海!。 バケーションに来た気がする。
バルセロナは、やっぱり良い。食べ物は美味いし、空は青いし、風は心地よいし、街はわかりやすいし。相変わらず車はクラクションを一杯鳴らすし、スペイン人の会話は声が大きいし。でも、スペイン語は耳に心地良い。 夜はバルセロネータの浜辺レストランで友人達と海鮮料理。ワインもやっぱりスペインで飲むと美味い。 12時過ぎまで喋って飲んで楽しくお開き。 ホテルに戻って、広々とした部屋で熟睡・・・ トラブル無し。ホッ。
で、最後のトラブルが翌日空港にて。
あらかじめ印刷しておいた搭乗券を見せてセキュリティーに入ろうとすると、係員に呼び止められた。何かな?と思って振り返ると、「あなたの搭乗券日付は今日じゃないよ。来週の土曜日だよ」・・・っって・・・えぇ~っ?
そんなぁ・・・と思いつつ、仕方がないので、EasyJetのチケットセンターへ行き、「今日のフライトに変えてください!」と。予定の14:45のフライトへの変更は空きが無く?無理との事で、16:40のフライトへの変更で了解。変更追加料金として、102ユーロ徴収されることに。あぁー、また無駄遣いだ。 チェックインカウンターで搭乗券をもらい、再度セキュリティーへ行くと、さっきの係員が、「今度はOKだなぁ、ハハ」と笑ってた。 う~、悔しいが自分の不注意が原因のミスであることに間違いは無く、ニッコリ笑って無事通過。
しょぼいお店が一つあるだけの、Terminal2、M0ゲート周辺のベンチで3時間、本を読んdリ、寝たり、ぶらぶらしたり、暇をつぶし、18:00過ぎにGatwick到着、帰りのタクシー(正規)に61ポンドも支払い、19:00にアパート到着。でも行きと帰りでどうして16ポンドも違うかなぁ。
途中でなぜか腰が痛くなってきたのだが、帰宅後にタイヤ交換作業が待っている。YouTubeでAudiのタイヤ交換ビデオを幾つかチェックし、普通のやり方であることを確認できたので、「ジャッキさえ見つかれば」・・と痛い腰をかばいながら、マニュアルを再度確認。
やはり、昨日焦りながら本を探す時と、余裕を感じながら本を開く時で探し方が違うようだ。パラパラとページを捲るだけで、所望の項目が見つかり、ジャッキの格納場所も確認。確かにトランクの横にあったか。そこも昨日探したはずだったんだけどなぁ。 無事ジャッキを取り出し、予想以上に重い交換タイヤを腰に負担を掛けながらトランクから出し、思いっきり堅くしまったボルトを緩め、相当力を入れないと回らないジャッキで車を持ち上げ、なんとか交換終了。ふぅ~。 手は真っ黒。腰が更に痛くなったようだ。 ともかく、交換終了。でも潰れたタイヤは相当ダメージがあるみたいで、もう使えない気がする。 交換タイヤはほぼ新品。 他の3本との溝の差がありすぎるのが心配だが、月曜日はこれで会社まで40マイル走ることにする。
パンクに始まり、フライト予約間違いを経て、パンク修理に終わったミニ旅行は、腰痛とバルセロナの想い出を残して終了。 今度はどこへ行こうかな?